2019.1.27「ティール組織」「お金で損しないシンプルな真実」「朝礼・スピーチ・雑談そのまま使える話のネタ100」「働かないアリに意義がある」

二週間ぶりのブログアップです。この2週間に読んだ本は次の4冊。

1 「ティール組織」 フレデリック・ラルー(A)

2 「お金で損しないシンプルな真実」 山崎 元(K)

3 「朝礼・スピーチ・雑談そのまま使える話のネタ100」 西沢泰生(K)

4 「働かないアリに意義がある」 長谷川 英祐

1 なんといっても「ティール組織」は単行本であれば600ページ近い大著、私はaudiobookで聞きましたが、何度も聞き返しながら読了する(聞き終わる)まで2週間かかりました。

ティール組織」は初めて聞く言葉でもあり、なかなか理解するのも難しく感じました。この本では、従来の階層型組織とは、組織体制も文化も全く違う、新しい組織のあり方が示されています。

まず最初に組織の発達段階として、次の5段階があるとしており、それぞれを色で表しています。

①レッド(衝動型)組織 ⇒ ②アンバー(順応型)組織 ⇒ ③オレンジ(達成型)組織 ⇒ ④グリーン(多元型)組織 ⇒ ⑤ティール(進化型)組織

ちなみにティールとは、ブルーとグリーンの中間、真鴨の頭の色、「青緑色」のことのようです。このティール組織にみられる特徴(この本ではブレークスルーと表現)は大きく3つあります。

(1)セルフマネジメント(自主経営)

  この組織では上司がいません。従来のピラミッド型組織のように、意思決定が一部の上層部によってなされることはありません。すべての権限がチームにあり、チームに所属する社員が自分で判断し自分で決める仕組みです。

(2)存在目的

  組織には存在する目的があり、すべての意思決定は、その存在目的にしたがってなされる、さらにその目的は常に進化していく、という考え方です。組織も生命体と同じであり、常に進化するものであると捉えるのです。

 個人の存在目的と組織の存在目的が共鳴するとき、人は仕事を天職と感じ、信じられないような力を発揮します。反対に自分の価値観と組織の価値観がコンフリクトすれば、仕事は単にお金儲けのための苦行になってしまいます。

 組織の価値観を明確にし、価値観に反することは行わない、そのうえで、その価値観に共鳴する人だけが集う、これが大切になります。

(3)ホールネス(全体性)

  私たちは通常、仕事に向かうため家を出ると同時に、プライベートの自分を切離し、仮面あるいは鎧を身に着けています。会社の中では仕事人としての自分だけを表現し、すべての自分をさらけ出すことはありません。

 ティール組織では、社員同士が本来の姿をお互いにさらけ出し、それを認め合います。そうすることで意味のない争いや猜疑心がなくなり、各自が自分の使命を追求することができます。

 ティール組織は、ひとつの決まった形ややり方があるわけではなく、前述した3つのブレークスルーを実現するためには様々なアプローチがあります。この本で紹介されている代表的な組織をいくつか例示します。

・ビュートゾル

 オランダの在宅ケアを行う看護師の集団です。わずか4名で始めた組織が、今では1万人規模まで広がっています。

パタゴニア

 アメリカのアパレルメーカです。環境の改善に取組むことを組織の存在目的とし、従来の常識を常にブレークスルーしながら営利企業としても発展しています。

モーニングスター

 アメリカのトマト加工を行っている企業です。この分野では圧倒的なシェアを誇っています。

・オズビジョン

 日本のインターネット企業です。

このティール組織、何となく概念は分かるものの、すっと腹落ちしてきません。やはりまだまだ今主流の価値観である「達成型組織」に囚われているのでしょう。引き続き、ティール組織の一形態であるホラクラシーなど、組織開発全般について勉強したいと思います。

2 山崎さんの本はすでに何冊か読み、日々の投資の参考にしています。山崎さんが主張されていることはほぼ一貫しており、この本でのポイントを一言で言うと「お金についてはシンプルが一番」ということになります。さらに付け加えるなら

・(ゼロサムではなく)全体価値が増える可能性の高いほうが良い

・リスクは低いほうが良い

・自分が持つリスクは自分で決めるほうが良い

・自分でコントロールできるほうが良い

というようなことでしょうか。

3 雑談のコツを見事にあらわしている、銀座や北新地の女性がお客さんを喜ばせるために使っている「さしすせそ」を紹介します。

 さ → さすがですね

 し → 知らなかったです

 す → 素敵です

 せ → センスいいですね

 そ → そうなんですね

 これは特に男性が喜ぶようです。デール・カーネギーも言っていますが、誰でも「自分は特別な存在」であると思いたい動物なんですね。どんな時でも簡単に使える万能会話術として覚えておきます。

4 「7割のアリは働いていない、しかし働かないアリにも意味がある」 短期的には効率が悪くても長い目で見れば生き残るために必要ということ、生き物の進化から学ぶことは多いですね。

 この本で、特に印象に残っているのは、ミツバチの雄を「ドローン」と呼ぶ理由。このドローンというのは「役立たず、厄介者」を示す単語だということ。そして雄は繁殖期だけ生まれ出て交尾をすればすぐに死んでしまう、1か月の命だそうです。ミツバチの巣にいるのは雌だけ、仮に生き残った雄がいても巣から追い出されてしまいます。同じ男として悲哀を感じました。なお、雄のミツバチをドローンと名付けたのは人間です。蜂蜜を採る人間にとって働かない雄は、まさに「役立たず」であり「厄介者」だったのでしょう。

  ついでに、最近話題の空飛ぶ「ドローン」はこのミツバチの雄が語源となっています。