2019.2.11「MBA100の基本」「小さいことにくよくよするな!」「スタンフォード式疲れない体」

今週読んだ本は以下のとおり。

1 「小さいことにくよくよするな!」 リチャード・カールソン

2 「スタンフォード式 疲れない体」 山田知生

3 「MBA 100の基本」 グロービズ、島田毅

1の本は20年前以上のベストセラー、文庫本で読みました。心理学者でセラピストであるリチャード・カールソンが、人生をより良く生きるためのヒントを100個記述しています。どれも当たり前のように感じますが、改めて読むとじんわりと効いてきます。特にこころに残ったものを次に示します。

・「1年たてば、すべて過去」今起きていることを1年後に思い出している、と想像するだけ。そして「これは重要か?」と自分に問う、ほとんどのことは大したことではないことに気づく。

・「自分の葬式に出ているところを想像する」人生にとって最も大切なものは何かを肝に命じるには効果的な方法。自分の死を見つめることは現在の生き方を見直すいいきっかけになる。

・「一度にひとつのことしかしない」時間を区切って、一度に一つのことだけする、それだけで集中力が増し効率が上がる。

・「百年後は、すべて新しい人々」百年後になれば私を知っている人はこの地球上に誰もいない。そう思えば人生の危機やストレスに客観的な視野に立てる。百年後はこの瞬間を覚えている人、気にする人は誰もいなくなる。

2はスタンフォード大学で長年スポーツ医局に勤める山田知生さんの体の疲れを回復させるためのメソッドを書いた本。

その一つがIAP呼吸法、これは、息を吸うときも吐くときも、お腹を膨らませ圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法。お腹周りを固くしたまま息をはききるのが特徴です。

その他、山田さんがアスリートに対して実践している「疲労予防」と「疲労回復」メソッドをまとめています。先日の駅伝大会では、さっそく本で紹介されていた「ビフォーリセット」をやってみました。確かに効きそうかな?

3はグロービスの嶋田毅さんが書かれたMBAで学ぶ基本的な考え方を100項目にまとめた本、読むと言うより頭の整理用に使う本という位置付けになりました。少し多くなりますが覚えておきたいポイントを記載します。

・「人は見たいものだけを見る」人は自分が何らかの結論に達すると、そのご、自分の主張に都合のいい情報ばかりを集めてしまう。これを確証バイアスという。

・「空、雨、傘」…「空が曇ってきた」→「雨が降りそうだ」→「傘を持っていくべきだ」事実だけを眺めているだけではダメ、事実の意味合いを考える。「事実→観察→分析」により「だから何(So What)」を考えることが大事。

・「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマンの本の題名。直感的思考はバイアス(思考の歪み)に弱い。確証バイアス、ハロー効果、フレーミング、プライミング効果などがある。

・「問題解決のプロセス」What→Where→WhyのあとにHow。まずは問題の定義「問題は何か?」、次に「その問題はどこにあるか」改善度の高いポイントを探る、そして「その問題が起きた原因は?」根源的原因に迫る。最後に「どうすれば問題を解決できるのか?」適切なアクションを打つ。

・大事なのは何をするか、ではなく何をしないかである。

・競争するのは最悪の戦略。「戦略」という単語を分解すると、「戦を略す」となる。

・「人が先、顧客は後」サウスウエスト航空はこの考え方で顧客満足度の高い企業となった。ヤマト運輸の元社長小倉昌男さんの言葉、「社員が先、荷物は後」「車が先、荷物が後」「安全第一、営業第二」

・人間は感情の動物、まずは相手の感情に最大限配慮し、その上で合理的に説明するという順序が大事。

・よきリーダになるためには、よきフォロワーになれ。リーダーシップとフォロワーシップには高い相関性がある。

・人間はインセンティブの奴隷。インドのコブラの話。

apple to apple 数字に意味付けするには比較が重要、対目標、対前年など。その場合に大事なのが、定義、前提、対象、範囲が同じこと。

・グラフ化してして直感的に考えよ。生の数字データから意味のある示唆を導き出せる人はいない。グラフ化して視覚的に捉え、その上で考える。

・平均値は平均の像ではない。正規分布のケースの場合のみ、平均値が中間的な値になる。「普通」「一般的」な像としては中央値の方が適切。

・「会計がわからなければ、経営がわからない」、稲盛和夫さんの言葉。プロ野球チームの監督が、打率や防御率の意味を理解していないのと同じ。

・人は測定されるものにしか興味を示さない。いったん数字が測定されると、それほどのインセンティブがなくても人は行動を変えることがある。可視化されることによる周囲の眼のプレッシャーは、人を動かす一つの武器になる。

・測定できないものはコントロールできない。デミングもこんなことを言っている。「定義できないものは管理できない。管理できないものは測定できない。測定できないものは改善できない。」

PDCAはあらゆるフレームワークを包含する。PDCAこそが最も破壊力のあるフレームワークである。PDCA入れ子構造にあることを意識することが大事。PDCAを回す手法(定例会議など)をうまく使いながら、組織としての大小のPDCAを的確に回すことが望ましい。

・早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け。大きな価値を生んだり、大きなインパクトをもたらしたいのであれば、多くの人を巻き込まなければならない。

・Noと言うなHowと聞け。これは3Mで用いられているフレーズ。

Win-Win or No Deal これはWin-Win(お互いに幸せな状態)の結果に至らないような交渉なら妥結しないほうがまし、という意味。

・返報性と一貫性に注意せよ。「影響力の武器」のうち最も強いのがこの二つ。返報性の怖いのは、「借り」が存在しないのに架空のケースでもそれを感じてしまうところ。

一貫性とは、一貫した立場を取る人間と周りから見られたいという人間の性向。

「ドア・イン・ザ・フェイス」、「フット・イン・ザ・ドア」「ローボール」のテクニック。

・議論の目的は勝利ではなく改革(改善)である。フランスの思想家、ジェセフ・ジュベールの言葉。

「みんなの意見」は案外正しい社会心理学者ジェームス・スロウィッキーの著書のタイトル。これが集合知の力であり、会議を行うことのメリットそのもの。ただし、多様性、独立性、分散性、多様な意見を集約する仕組み、という条件が揃うことが必要。