2019.7.6「『人の上に立つ』ために本当に大切なこと」ジョン・C・マクスウェル
「『人の上に立つ』ために本当に大切なこと」ジョン・C・マクスウェル著を読んでみた。と言ってもAudiobookで聞いたわけだが。
ジョン・C・マクスウェルは、リーダシップ論で有名なベストセラー作家であるが、彼の本は今回初めて読んだ。目から鱗とまではいかないものの、この本で示されているリーダーに必要な21項目については、一つ一つが納得の一冊であった。
まずは、公開されている目次を記す。
1 ──「人格」
リーダーシップとは、 人びとに自信を与える人格のことである。
・妥協とは、築いたものすべてを捨てること
・才能は選べないが、人格は自由に選べる
・人格が弱ければ、成功した瞬間に失敗する
2 ──「カリスマ性」
人と接するとき、相手に好かれるようにふるまうのではなく、相手が自分自身を好きになるようにふるまえばよい。
・「この人についていきたい」と思わせる力
・成功する人は「善なる部分」だけを見ている
・「自分のほうがデキる」と思っている人に一流はいない
・常に相手を「10点満点の人間」だと思う
3 ──「不屈の精神」
夢想する者ではなく、実行する者になる。
・自分が生きた時代に最善を尽くした人は、永遠に生き続ける
・「何かを信じている人」に人はついてくる
・「できる」と思ったすべてのことを達成する
4 ──「コミュニケーション能力」
コミュニケーションの達人は、複雑なことを簡単にする。
・「いっしょに仕事をしたい」と思わせる力
・すべてのコミュニケーションの目標は「行動」にある
・才能があっても、孤立無援では何もできない
5 ──「能力」
能力は言葉を超える。
・「隠された能力」は、ないのと同じ
・本当に有能な人は、タイミングを選ばない
・自分と仕事の間に距離を置かない
6 ──「勇気」
勇気は、他のすべての資質を保証する。
・勇気とは、「自分が恐れていること」をする力
・勇気は確実に伝染する
・「自分にはできない」と思うことをする
7 ──「洞察力」
賢いリーダーは、聞いたことの半分しか信じない。洞察力のあるリーダーは、どちらの半分を信じればいいか知っている。
・洞察力は、得意分野でなければ発揮されない
・洞察力とは「欠けている部分」を見る能力
・洞察力を磨けば、「運」は自分で生み出せる
8 ──「集中力」
あらゆることを上手にできる人間はいない。不思議なのは、上手にできることが多少はあるという点だ。
・一流に「これでよい」と満足する瞬間はない
・「70:25:5」の法則を実行する
・最高の投資は、得意分野にする
9 ──「与える心」
名誉とは、その人が「与えたもの」に対する報酬である。
・「火を分け与えても、ロウソクは減らない」
・真のリーダーは、絶対に見返りを期待しない
・自分の死後も残るものにこそ、与える
10 ──「独創性」
問題を丸く収めようとして、自分の経験と確信を否定してはならない。
・自ら事を起こす人だけが成功する
・成功したければ、失敗の数を二倍にする
・チャンスは「来る」まで待ってはいけない
11 ──「聞くこと」
ささやき声に耳を傾けていれば、叫び声を聞く必要はない。
・相手の心に触れたければ、耳を傾ける
・「人の話を聞かない人」にリーダーはいない
・相手が話していないことを聞く
12 ──「情熱」
他人の思惑ではなく、自分の情熱にこそ従わなくてはならない。
・うまくできることに集中すれば、突出できる
・「情熱のないリーダー」は存在しない
・「火を灯してくれる人」と付き合う
13 ──「前向きな姿勢」
成功者とは、自分に投げつけられたレンガを使って強固な土台を築き上げられる人物のことだ。
・失敗とは、成功までの「あと一歩」に気づかないこと
・人生の不幸の原因は、弱音に耳を傾けることにある
・自分を高めるための「正しい燃料」を選ぶ
14 ──「問題解決力」
あなたの夢の実現を、何にも決して邪魔させてはいけない。
・「文句を言う人」を成功者に変えるたった一つのこと
・「問題は必ずある」と想定する
・問題に直面したとき、あなたの「器」が明らかになる
15 ──「対人関係能力」
人びとは、あなたがどれだけ気遣ってくれているかを知るまでは、あなたの知識がどれだけ豊富であろうと意に介しない。
・人の弱い部分を見たときほど、優しく接する
・本物のリーダーが重視する「人間の六つの共通点」
・「壊れた関係」は、そのままにしておかない
16 ──「責任」
リーダーは何でも手放すことができる。ただし、最終的な責任だけは手放すことができない。
・責任をとらずに「人の上に立つ」ことはできない
・「八時間を超える労働は、未来への投資である」
・自分にできる最高の水準で仕事をする
17 ──「心の安定」
自分一人ですべてをやろうとしたり、功績がすべて自分にあると主張したりする人間は、すぐれたリーダーになれない。
・自分に不安なリーダーに、人はついてこない
・「人から認められたい」という気持ちを捨てる
・自分のものではない成功こそ、祝福する
18 ──「自己規律」
最初で最大の勝利は、自分自身を克服することである。
・まずは、自分自身のリーダーになる
・常に「困難<報酬」になるよう意識を保つ
・規律がなければ、「夢をかなえる力」は育たない
19 ──「奉仕の精神」
自分の地位を愛する以上に、自分についてきてくれる人びとを愛さなければならない。
・一流のリーダーは「地位」にこだわらない
・前進したければ、人を先に行かせる
・「純粋な気持ち」を最後まで失わない
20 ──「学ぶ心」
大切なのは、何かについて知り尽くした後で、さらに何を学ぶかということだ。
・成功を収めた直後こそ、学ばなくてはならない
・「成長をやめた日」は、自分の潜在能力を捨てた日
・「蒔いている種」をチェックする
21 ──「ビジョン」
未来は、それが明らかになる前に可能性を見る人のものだ。
・見えないものは、手に入れることができない
・達成不可能に思えるビジョンは、勝者だけを引きつける
・揺るぎないビジョンを教えてくれる四つの声
・「エネルギーを与えてくれるもの」を知る
目次と重なる部分もあるが、特に心に残った言葉を記してみた。
・才能は選ぶことができないが、人格は選ぶことができる。
・勇気とは恐怖心を抱かないことではない。勇気とは恐れを乗り越えて前に進むことである。
・勇気は伝染する。勇気ある行動は、他の人々を勇気づける。
・勇気とは行動原理であり、単なる考え方ではない。
・すべてのことを上手にできる人はいない。しかし誰にでも、上手にできることが多少はある。この多少上手にできることに注力しなくてはならない。
・「70:25:5」の法則、私は初めて聞いたが、この法則を実行することが大切。自分の強みに70%、新しいことに25%、そして苦手なこと・欠点に5%の労力と時間を費やす。要は自己投資は、自分の得意分野に集中的にするということ。
・組織を成長させたいなら、部下を率いろ。飛躍的に成長させたいならリーダーを率いろ。
・人とうまく付き合うためには、大前提として自分自身とうまく折り合いがついていることが必要である。
・まだ青いうちは成長を続ける。熟したとたんに腐り始める。
リーダーは成長し続けなければならない。成長しないリーダーはリーダーではない。