2020.4.29 「科学の扉をノックする」小川洋子

著者も書かれているが、私も新聞の科学記事を読むのが好きだ。気に入った記事はエバーノートに保存して読み返している。脳科学天文学、自然科学、医学、動物学何でもありで楽しんでいる。

この本も、まさに著者の興味の赴くままに7人の科学者を訪ねて行きインタビューしたもの。インタビューの内容も楽しいが、書かれている文章が軽快かつ絶妙で、つい笑顔になりながら読んでしまった。

世の中、コロナウイルスで重苦しい空気が漂っている中、読後には清涼感を味わうことのできた一冊。

特に印象に残ったのは、竹内先生が語る植物のような動物のような粘菌の話。さらに遠藤先生のインタビューから見えてくる氏、というか「遺体科学」の謙虚さ、自分が生きている間には成果は出ないけど、「将来に可能性を残す」、なんという謙虚な学問だろう。