伝え方が9割
今日はダイヤモンド社から出ている「伝え方が9割(佐々木圭一著)」の中から、最も「これは使える!」と感じた「強いコトバを作る技術」について、要約してみたい。
強いコトバを作るのは、著者によると「ジェットコースターの原理と同じ」らしい。要は、「コトバに高低差をつければ、エネルギーが生まれる」、そしてそれを実現する5つの技術があるとのこと。
1 サプライズ法
人はサプライズに弱いもの。サプライズ法を作る手順はこれ、
①伝えたい言葉を決める
②適したサプライズワードを入れる
サプライズワードには以下のような言葉がある。
・(語尾に)!
・ビックリ、・・・
・そうだ、・・・
・ほら、・・・
・実は、・・・
・すごい、・・・
・信じられない、・・・
・あ、・・・
このサプライズワードを、自分が驚いた時ではなく相手の心を動かしたいときに使う。
2 ギャップ法
スタート地点を下げ、言いたい意味にギャップを作ってあげる、という手法。
手順としては、
①もっとも伝えたいコトバを決める
②伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる
③前半と後半がつながるように、自由にコトバを埋める
具体例としては
・「嫌いになりたいのに、あなたが好き」
・「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ」オバマ大統領
・「誰もが敵になっても、私は味方です」
・「他の店がまずく感じるほど、ここのラーメンは旨い」
・「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」
3 赤裸々法
普段は感じていてもあえて言葉にしなかったことを、あえて赤裸々にコトバにする、という手法。
①もっとも伝えたいコトバを決める
②自分の体の反応を赤裸々にコトバにする
③赤裸々ワードを、伝えたいコトバの前に入れる
具体例をあげてみよう。
赤裸々ワードとしては、
「顔が真っ赤」、「のどがカラカラ」、「くちびるが震えている」、「息ができない」、「目が合わせられない」、「汗ばんでいる」、「頭の中が真っ白」、「手にジワリと汗が」「指先がじんじんする」、「自分の鼓動がわかる」など
これらを、伝えたいコトバにうまく組み合わせて使うと、
・「くちびるが震えている。あなたが好き」
・「何も考えられない。お腹がすいた」
・「のどがカラカラ、感動の映画でした」
・「思い出しても顔が真っ赤になるくらい、素敵な夜でした」
4 リピート法
これは「強いコトバ」を作るもっとも簡単な方法。手順は次のこれだけ。
①伝えたいコトバを決める
②そのコトバを繰り返す
・「今日は暑い、暑い」
・「人民の、人民による、人民のための政治」リンカーン大統領
・「毎日、毎日、僕らは鉄板の・・・」
リピートすれば、記憶に残し、感情を乗せることができる。
5 クライマックス法
聞き手の集中スイッチを入れ直すことを主目的に使う手法。ロケット発射直前の「3、2、1」と同じ効果を狙うもの。手順としては、
①いきなり「伝えたい話」をしない
②クライマックスワードから始める
このクライマックスワードとは、次のようなコトバ、
・「これだけは覚えてほしいのですが」
・「ここだけの話ですが」
・「他では話さないのですが(あなただけに話すのですが)」
・「誰にも言わないでくださいね」
・「これだけは忘れないでください」
・「一言だけ付け加えますと」
・「ワンポイントアドバイスですが」
・「3つのコツがあります、一つ目は」
話にクライマックスを作れば、切れかけた聞き手の集中スイッチを入れることができる。
これら5つの技術を使った「強いコトバ」を話の中に散りばめることで、相手の心に響く話をすることができる。
長い文書を書くときは、これらの5つの技術を使い、文書のタイトル、最初の文章、最後の文章に「強いコトバ」使うことで、相手の興味を引き、最後まで読ませることができる。