2018.12.24「絶滅の人類史」

今週読んだ本は次のとおり

(1)「絶滅の人類史」 更科 功

(2)「イノベーションのジレンマ」クレイトン・クリステンセン

 

まずは(1)の感想。

更科先生の文章は読み易く、通勤や出張の合間に読み終えました。

まず、人類史を考える前提の大きな流れとして次のことが語られています。

・現在生きている大型類人猿すべての共通祖先は、およそ1500万年前に生きていた

・そこからまずオランウータンの系統が分かれ、次にゴリラがの系統が分かれた

・さらにその後、約700万年前にチンパンジーの系統とヒトの系統が分かれた

チンパンジーの系統では、約200~100万年前に、チンパンジーに至る系統とボノボに至る系統が分岐した

・今のところ最古の化石人類は、約700万年前のサヘラントロプス・チャデンシス

チンパンジーに至る系統とヒトに至る系統が分岐してから、ヒトに至る系統に属するすべての種を「人類」と呼ぶ

・私たちヒトは、25種以上いた人類の、最後の種ということになる

ヒトに至る進化の過程で何が起こったのか、その原因は、など様々な視点で語られ、最後の人類としてネアンデルタール人とヒトが共存します。

・ホモ・ハイデルベルゲンシスの一部の集団が、およそ40万年前にアフリカを旅立ち、その一部がヨーロッパに渡った。

・その集団からネアンデルタール人が進化し、アフリカに住み続けた集団からはホモ・サピエンスが進化した。それがおよそ30~25万年前のことである。

・そして、およそ4万7000年前にこの2種の人類は再会することになる。

ネアンデルタール人は4万年前には絶滅してしまう。したがって両者の共存期間は7000年となる。

ホモ・サピエンスは約4万3000年前に、ヨーロッパに大規模進出していることから、本当の意味での共存期間はわずか3000年と言ってもいい。

そしてもっとも興味深いのは、ヒトとネアンデルタール人は交雑していたという事実です。アフリカ人以外のホモ・サピエンスのDNAの約2%は、ネアンデルタール人に由来していたのです。それは、約6~5万年前のこと。

さらにはシベリアのデニソワ洞窟から約5~3万年前の人類の骨が見つかりましたが、現在のメラネシア人のDNAの約5%は、このデニソワ人から由来したものでした。

さて、なぜホモ・サピエンスだけが生き残ったのか?旧ソ連生態学者ゲオルギー・ガウゼは「同じ生態的地位を占める2種は、同じ場所に共存できない」というガウゼの法則を示しました。つまりイス取りゲームのように一人が座ればもう一人は座れなくなった、ということでしょうか。

最後に私たちヒトの特徴について、このように語っています。

・多くの人が力を合わせられることが人類の特徴だ。人類は一人ではビックリするほど何も持っていない。闘う牙も、逃げるための速い足も、隠れるための木々もなかった。

・地球上で誰も進化させなかった「直立二足歩行」を私たちは進化させた。これが食料を運搬することを可能にし、高度な協力関係の土台になったのだろう。

 

(2)の感想は、日を改めて追記したいと思います。今日はここまで。。。