2019.5.12「健康は『内臓さん』で決まる」伊藤裕
Audiobookで聞き終えた本「健康は『内臓さん』で決まる」の内容を一言であらわすと、「”臓器の時間”がゆっくりと流れる生活こそ、健康で長生きするコツである」ということ。また、この本の中で一貫して「大切だ」と強調されているのは次の二つ。
「人は生きるために食べるのではない。食べるために生きるのである」
「仕事の合間に食べるのではない。食事の合間に仕事をする」
要は、「生きることの本質は食べること」
この本のポイントをいくつか記載してみる。
・健康と不健康の境界を考えたとき、「やや健康」とか「やや不健康」という状態はない。ある日突然、健康から不健康になる、これが病気のメカニズム。
・内臓ストレスを減らす方法は次の4つ
①空腹感と低酸素間を持つ
②いい思い出を大切にする
③正しい時間に沿って生活する
④慣れを取り入れる
・血液の使用量は、腸が30%、腎臓が20%、脳と骨格筋が15%。腸と腎臓が健康の要。
・太陽に合わせて生活する。
「昼間より夜は気が滅入るものだ。勇気は太陽とともにやって来る」デール・カーネギー
・ミトコンドリアが酸素を消費してエネルギーを生み出す。ミトコンドリアの働きが鈍ると活性化酸素が増え、体内に悪影響を与え、臓器の時間を進めてしまう。
・ミトコンドリアに緊張感を持たせ活性化する方法
①適度に空腹感を持たせる→糖質と資質を減らす
②適度に低酸素間を与える→無酸素運動をする
・過去の経験、繰り返しの経験を細胞に記憶として残す仕組み、経験によって遺伝子の働きを変える仕組み、これを「エピジェネティクス」という。
・遺伝子の情報は変わらなくても、遺伝子にくっつく分子によって、遺伝子の仕組みや性質が変わる。そしてその性質は一生涯あるいは世代を超えて受け継がれることもある。
・例えば、ミツバチの女王バチと働きバチは同じ遺伝子を持つ姉妹。幼い時にローヤルゼリーを食べた個体が女王バチになる。
・習慣そのものでなく、習慣を通した慣れが大切。この慣れによって内臓ストレスが軽減される。
・ダンバーによれば、私たちのネットワークは3の倍数で作られている。最も親しい人たち、無償でお金を貸すことのできる人は3~5人。その3倍にあたる10~15人はシンパシーグループ、共感できるグループで多くの団体競技の人数がこの範囲である。さらにその3倍45~50人は、原住民が集団で移動する単位。そしてその3倍の150人は人間のネットワークの限界、顔と名前が一致し関係を維持できる人数、つまりダンパー数。
・7000人を対象とした調査によると、社会的ネットワークが強い人、つまり血縁・地縁が強い人ほど長生きできることが分かっている。
人は人と人のネットワークを大きくするために脳を大きくしてきた。そして、そうすることで生き残ってきた。
最後に「大切な時間」を生み出す10ヶ条を示す。
1 ゆっくり食べると腸の時間は遅くなる
2 夜のコンビニは決して利用しない
3 小腹対策をしない
4 「空腹感」と「低酸素感」を与える
5 夜の運動よりも朝の運動
6 「赤ちゃんの生き方」を実践する
7 真面目な人をやめてみる
8 「3の倍数」で人付き合いを始める
9 できるだけ大きな妄想を巡らす
10 いい想い出しか入れない「マイアルバム」を作る
【おまけ】
この本で初めて聞いた言葉「エピジェネティクス」について、少し調べてみた。
エピジェネティクスとは?
私たちの体は皮膚や胃、腸、肝臓など様々な組織からできている。そして、これらの組織は別々の細胞から構成されている。どの細胞も同じ遺伝子を持っているのに、別々の組織になれるのは、使う遺伝子と使わない遺伝子に目印を付けているからである。エピジェネティクスとは、この目印を解明する学問ということができる。
皮膚から胃ができないことからわかるように、エピジェネティックな目印は、いったん付くと容易には外れない。
細胞内のDNAは、ヒストンと呼ばれるたんぱく質に巻き付いてできている。エピジェネティックな目印には、DNAにつく目印(DNAメチル化)とヒストンにつく目印(ヒルトン修飾)の2つが知られている。
※国立がん研究センター 研究所のホームページより引用