2019.526「世界のエリートが学んできた『自分で考える力』の授業」狩野みき

「世界のエリートが学んできた『自分で考える力』の授業」狩野みき著、この本はAudiobookで聞いた後、気に入って単行本を買い再読した。非常に読みやすくさらっと読めたが、「一人弁証法」などすぐにでも役立ちそうなルールが書かれており参考になった。

まずはいつものように目次から。

 Lesson1 「自分の意見」の作り方~なぜ、私たちは「想定外」に弱いのか

 Lesson2 理解を深める~「事実らしきもの」を前に考えを止めない

 Lesson3 視点を増やして発想を拡げる

 Lesson4 未来のシナリオで現実的な選択肢を手に入れる

 Lesson5 上手に「意見を交換する」ために欧米人が持っているルール

 Last Lesson 「?」に気づくことが「考え」のはじまり

 

以下、備忘録としてポイントを記す。

■Lesson1 「自分の意見」の作り方~なぜ、私たちは「想定外」に弱いのか

 ・自分の意見の作り方3ステップ

 step①(あること)に対して自分はどれだけ理解しているのか確認する。

  →「理解していること」を確認すれば、「理解できていないこと」が明らかになる

 step②(あること)について理解できていないことは何か把握し、「理解できていないこと」を解決するために調べる。 → 理解が深まる

 step③ 自分の意見を持つ

 大事なのは、step①と②をスルーして、いきなりstep③に行ってはならない、ということ。

・日本では「クリティカル・シンキング」のことを「批判的思考」と訳すことから、誤解を受けているが、本来のクリティカル・シンキングとは、「批判する」ということではなく「物事の是非を慎重に判断する」という意味である。

意見や主張は、よい根拠がなければ、何の説得力もない。

クリティカル・シンキングでは「視点の多さ」も重要。視点を増やす一番手っ取り早い方法は、「もともとの主張とは反対の主張」をしてみること。

・「比較」が人間の考えを深めてくれる。

 

■ Lesson2 理解を深める~「事実らしきもの」を前に考えを止めない

・理解を深めるための最大の敵は、「理解したつもり」になること。自分が本当に理解しているのか、を確認するために「5歳児に説明してみる」というシミュレーションをやってみる。

 「平易な言葉で説明できなければ、十分に理解しているとは言えない」by アインシュタイン

クリティカル・シンキングで必ず押さえるべきことのひとつ、「事実」と「意見」を区別する。

 

■ Lesson3 視点を増やして発想を拡げる

・「一人弁証法」…とにかく自分の考えに反対する視点で考えてみることにより、自分の考えをさらに深める、という手法。

 弁証法とは、①「A」という考えがある →②それに反対する「非A」という考えを持ち出して「A」と戦わせる →③「B」という新しいアイデアが生まれる、というプロセスを意味している。

このプロセスを自分一人でやることを「一人弁証法」と呼ぶ。

 

■Lesson4 未来のシナリオで現実的な選択肢を手に入れる

・人の意見にはたいていの場合、背景や思い込みなど、本人にとっては当たり前すぎて口にしない前提が含まれている。これをクリティカル・シンキングでは「暗黙の前提」と呼ぶ。その意見に対して「釈然としない」という感覚があるときは、たいてい、そこに「暗黙の前提」が隠れている。

・この暗黙の前提を見抜くためには、意見を「根拠」部分と、「結論」部分にばらして図式すると分かりやすくなる。

・「よりよい決断をするための思考プロセス」

 ①決断しかねている「行動」を肯定分で書く

 ②なぜその行動を起こしたいのか、目的を明確にする

 ③その目的を達成するためにはどんな手段があるか、書き出す

 ④それぞれの手段がもたらし得る未来を予測し、うまく行った場合と行かなかった場合のしなりをを書き出す

 ⑤自分のポリシー合わない、現実的でない、ものを消去する

 

■Lesson5 上手に「意見を交換する」ために欧米人が持っているルール

・上手に意見交換するための14のルール

[ルール1]この世に絶対正しい意見などない、と心得る

[ルール2]相手にとって分かりやすいコトバと流れで伝える

[ルール3]これから話す内容の「マップ」を示す

[ルール4]大事な箇所は表現を変えながら繰り返して伝える

[ルール5]断定的な口調は避ける

[ルール6]反論=人格否定、ではないと心得る

[ルール7]NOは相手からの「質問」だと思う

[ルール8]相手の話を遮らない

[ルール9]「わかったつもり」はNG

[ルール10]相手の意見の丸呑みは「尊重」ではない

[ルール11]相手のペースに飲まれない

[ルール12]根拠を聞こう、口に出そう

[ルール13]知ったかぶりをしない

[ルール14]反対するなら代替案を示す

 

■Last Lesson 「?」に気づくことが「考え」のはじまり

・日本人は、「何かおかしい」「何か納得がいかない」という感覚をそのまま放っておく傾向がある。まずは、そういう気持ちの存在にきちんと気付いてやることが大切。

この感覚を大事にして探ることで「本当に大事なこと」に巡り合うことができる。