今週の読書 2019.2.16 「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」ほか

今週は次の2冊を読みました。

1 「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」日高洋祐ほか3名

2 「MBA 生産性をあげる100の基本」 グロービス、嶋田毅(A)

1 MaaSとは mobility as a Service の略で、ICT技術を活用し、個々人の移動を最適化するため様々な移動手段を統合することで利便性を飛躍的に高めるサービスを言います。日本は世界から10年は遅れていると筆者は言っています。本の中から大事だと感じたポイントを列記します。

・MaaSはフィンランド発の概念であり、通信自由化のあと多様なサービス、料金パッケージが生まれた通信業界からヒントを得て生み出された。

・MaaSには次のレベルが定義されている。

レベル1:情報の統合(日本の現状)

レベル2:予約・支払いの統合

レベル3:提供するサービスの統合

レベル4:社会全体目標の統合

・MaaSプラットフォームはあらゆる産業に繋がり、より上位のレイヤーに位置づけられる可能性がある。そうなると鉄道会社や自動車メーカーは、この新しく生まれたMaaSの統合プラットフォームの下位にぶら下がるビジネスになりかねない。

・あらゆる交通サービスが融合しMssAコントローラによりユーザーの位置情報や予定が共有され、それらを統括する高度な予測とパーソナイズされた制御を行う。これを2020年東京オリンピックまでに実現することを目標とすべき。

・日本版MaaSが目指すべき方向性には二つある。

都市部:①渋滞の緩和 ②高度な都市オペレーション

地方:①地域交通の再構築 ②持続可能な交通体型

これら同じ課題を抱える世界中に、都市機能として輸出する。

2は「MBA 100の基本」の続編。Audiobookで聞いたので聞き流した部分もありますが、気になったところは何度か聞き直しメモを取りました。本書では「土台スキル」「実行スキル」「成長スキル」の3部構成となっており、生産性を上げるスキルが簡潔に100項目にまとめられています。記憶に残ったものをいくつか記載します。

・会議に貢献する。会議は自分の存在を誇示したり、自説を披露する場ではない。多数決で結論を出すためのものでもない。会議はより良い意思決定をする場、私たちは色々な形で会議に貢献できる。

・意思決定には様々な思考の歪み、バイアスがかかってしまう。代表的なものとして「ハロー効果」「サンクコスト」「現状維持バイアス」「確証バイアス」「初頭効果または週末効果」

・人に伝えるための条件3つ。

①論理→人は理由を知りたい動物

②情理→人は論理だけでは動かない。感情で動く。

③倫理→最近特に重要視される。人は自分の価値観に合わないことでは動かない。

・顧客が要求するQCDを実現できるか、が大事。

Q:品質(Quality) C:コスト(Cost) D:納期(Delivery)

・PM理論、社会心理学の三隅二不二が提唱した。リーダシップを、「目標を達成する能力(P)」と、「メンバー間の人間関係を良好に保ち集団や組織を維持・強化する能力(M)」の二つの能力要素に分け、その大小の組合せで4つのタイプに分類したもの。PとMが共に高いPM型のリーダシップが望ましい。

・GEではリーダーには次の”4E”が大切だと言われている。

①Energy:常に高いエネルギーを持っている

②Energize:エナジャイズ、相手のエネルギーを高める

③Edge:タフな決断や判断ができる

④Execute:プランを行動に移す実行力がある

・successの法則とは、プレゼンで成功するための6つの要素。「Simple(シンプル)」「Unexpected(意外性)」「Concrete(具体性)」「Credible(信頼性)」「Emotional(感情に訴える)」「Story(物語性)」

・スキルは陳腐化する。陳腐化しない・しにくいスキルを身につけることが大事。

マネジメントを学ぶスキルとして経営学者ロバート・L・カッツが提唱した「カッツモデル」がある。マネジメントのレベルに応じて重要なスキルを上から「コンセプチュアル・スキル(物事を概念化する能力)」「ヒューマン・スキル(対人関係スキル)」「テクニカル・スキル(業務遂行スキル」の3つ。上位のスキル(コンセプチュアル・スキルやヒューマン・スキル)は陳腐化しにくいスキルと言える。

今週の読書 2019.2.11 「MBA100の基本」ほか

今週読んだ本は以下のとおり。

1 「小さいことにくよくよするな!」 リチャード・カールソン

2 「スタンフォード式 疲れない体」 山田知生

3 「MBA 100の基本」 グロービズ、島田毅

1の本は20年前以上のベストセラー、文庫本で読みました。心理学者でセラピストであるリチャード・カールソンが、人生をより良く生きるためのヒントを100個記述しています。どれも当たり前のように感じますが、改めて読むとじんわりと効いてきます。特にこころに残ったものを次に示します。

・「1年たてば、すべて過去」今起きていることを1年後に思い出している、と想像するだけ。そして「これは重要か?」と自分に問う、ほとんどのことは大したことではないことに気づく。

・「自分の葬式に出ているところを想像する」人生にとって最も大切なものは何かを肝に命じるには効果的な方法。自分の死を見つめることは現在の生き方を見直すいいきっかけになる。

・「一度にひとつのことしかしない」時間を区切って、一度に一つのことだけする、それだけで集中力が増し効率が上がる。

・「百年後は、すべて新しい人々」百年後になれば私を知っている人はこの地球上に誰もいない。そう思えば人生の危機やストレスに客観的な視野に立てる。百年後はこの瞬間を覚えている人、気にする人は誰もいなくなる。

2はスタンフォード大学で長年スポーツ医局に勤める山田知生さんの体の疲れを回復させるためのメソッドを書いた本。

その一つがIAP呼吸法、これは、息を吸うときも吐くときも、お腹を膨らませ圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法。お腹周りを固くしたまま息をはききるのが特徴です。

その他、山田さんがアスリートに対して実践している「疲労予防」と「疲労回復」メソッドをまとめています。先日の駅伝大会では、さっそく本で紹介されていた「ビフォーリセット」をやってみました。確かに効きそうかな?

3はグロービスの嶋田毅さんが書かれたMBAで学ぶ基本的な考え方を100項目にまとめた本、読むと言うより頭の整理用に使う本という位置付けになりました。少し多くなりますが覚えておきたいポイントを記載します。

・「人は見たいものだけを見る」人は自分が何らかの結論に達すると、そのご、自分の主張に都合のいい情報ばかりを集めてしまう。これを確証バイアスという。

・「空、雨、傘」…「空が曇ってきた」→「雨が降りそうだ」→「傘を持っていくべきだ」事実だけを眺めているだけではダメ、事実の意味合いを考える。「事実→観察→分析」により「だから何(So What)」を考えることが大事。

・「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマンの本の題名。直感的思考はバイアス(思考の歪み)に弱い。確証バイアス、ハロー効果、フレーミング、プライミング効果などがある。

・「問題解決のプロセス」What→Where→WhyのあとにHow。まずは問題の定義「問題は何か?」、次に「その問題はどこにあるか」改善度の高いポイントを探る、そして「その問題が起きた原因は?」根源的原因に迫る。最後に「どうすれば問題を解決できるのか?」適切なアクションを打つ。

・大事なのは何をするか、ではなく何をしないかである。

・競争するのは最悪の戦略。「戦略」という単語を分解すると、「戦を略す」となる。

・「人が先、顧客は後」サウスウエスト航空はこの考え方で顧客満足度の高い企業となった。ヤマト運輸の元社長小倉昌男さんの言葉、「社員が先、荷物は後」「車が先、荷物が後」「安全第一、営業第二」

・人間は感情の動物、まずは相手の感情に最大限配慮し、その上で合理的に説明するという順序が大事。

・よきリーダになるためには、よきフォロワーになれ。リーダーシップとフォロワーシップには高い相関性がある。

・人間はインセンティブの奴隷。インドのコブラの話。

apple to apple 数字に意味付けするには比較が重要、対目標、対前年など。その場合に大事なのが、定義、前提、対象、範囲が同じこと。

・グラフ化してして直感的に考えよ。生の数字データから意味のある示唆を導き出せる人はいない。グラフ化して視覚的に捉え、その上で考える。

・平均値は平均の像ではない。正規分布のケースの場合のみ、平均値が中間的な値になる。「普通」「一般的」な像としては中央値の方が適切。

・「会計がわからなければ、経営がわからない」、稲盛和夫さんの言葉。プロ野球チームの監督が、打率や防御率の意味を理解していないのと同じ。

・人は測定されるものにしか興味を示さない。いったん数字が測定されると、それほどのインセンティブがなくても人は行動を変えることがある。可視化されることによる周囲の眼のプレッシャーは、人を動かす一つの武器になる。

・測定できないものはコントロールできない。デミングもこんなことを言っている。「定義できないものは管理できない。管理できないものは測定できない。測定できないものは改善できない。」

PDCAはあらゆるフレームワークを包含する。PDCAこそが最も破壊力のあるフレームワークである。PDCA入れ子構造にあることを意識することが大事。PDCAを回す手法(定例会議など)をうまく使いながら、組織としての大小のPDCAを的確に回すことが望ましい。

・早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け。大きな価値を生んだり、大きなインパクトをもたらしたいのであれば、多くの人を巻き込まなければならない。

・Noと言うなHowと聞け。これは3Mで用いられているフレーズ。

Win-Win or No Deal これはWin-Win(お互いに幸せな状態)の結果に至らないような交渉なら妥結しないほうがまし、という意味。

・返報性と一貫性に注意せよ。「影響力の武器」のうち最も強いのがこの二つ。返報性の怖いのは、「借り」が存在しないのに架空のケースでもそれを感じてしまうところ。

一貫性とは、一貫した立場を取る人間と周りから見られたいという人間の性向。

「ドア・イン・ザ・フェイス」、「フット・イン・ザ・ドア」「ローボール」のテクニック。

・議論の目的は勝利ではなく改革(改善)である。フランスの思想家、ジェセフ・ジュベールの言葉。

「みんなの意見」は案外正しい社会心理学者ジェームス・スロウィッキーの著書のタイトル。これが集合知の力であり、会議を行うことのメリットそのもの。ただし、多様性、独立性、分散性、多様な意見を集約する仕組み、という条件が揃うことが必要。

 

今週の読書 2019.2.3 「EQ こころの知能指数」ほか

今週読んだ本は、次の2冊。

1 「EQ こころの知能指数」 ダニエル・ゴールマン

2 「もう迷わなくなる最良の選択」 アルボムッレ・スマナサーラ(A)

1は、1995年にアメリカで発売されベストセラーとなった本です。私は文庫版で読みました。ゴールマンが言う「社会に出て成功するのに必要な能力はIQが2割、EQが8割」というのは、私の実感として素直に納得できました。

EQの基本は「自分の感情を自覚し、激情をコントロールする能力、失敗してもあきらめない意志力、他人の気持ちを思いやる能力、すなわち共感力」なんとも当たり前のことのように感じると同時に、これこそ本当に大切なことと思います。

この本ではまず、脳の進化から「感じる知性」と「考える知性」の違いを説明し、「感じる知性」すなわち感情が、私たちの行動にいかに大きな影響力を持つかを述べています。いくつか印象に残る部分を書き出してみます。

・脳の最も原始的な部分である脳幹の上にやがて情動を支配する部分(脳幹の周囲を縁取る形状から「大脳辺縁系」と呼ぶ)が発生し、さらに何百万年という時間を経て、その上に思考する脳すなわち大脳新皮質が発達した。

・人間の大脳にある「扁桃核」はアーモンドの形をした神経核で、脳幹の上、大脳辺縁系の底辺にあたる部分に左右ひとつずつある。

目や耳から入ってきた感覚信号はまず視床に届き、そこからたった一つのシナプス扁桃核に到達する。次に視床は同じ信号を大脳新皮質に送る。

そのため扁桃核は、大脳新皮質が何層もの神経回路を通して情報を吟味し反応を開始するより早く反応できることになる。

・私たちは何かを知覚するとき、最初の千分の2、3秒で対象を無意識に理解するだけでなく、それに対する好悪の判断までしてしまう。これは、扁桃核に蓄えられた情動の記憶のせいだ。海馬が事実を記憶するのに対し、扁桃核は事実に付随する情動を記憶する。「私たちが前を歩く人間が自分の上司だと認識できるのは、海馬の働き。同時に嫌な奴に出会っちゃったなあと思うのは、扁桃核の働き。」

・頭と心、あるいは思考と情動が対立するにせよ協調するにせよ、大事なのは扁桃核(および大脳辺縁系の組織)と大脳新皮質の関係だ。

理性的な判断を下すために感情は不可欠な要素である。感情によって大まかな方向性を与えられ、そこから論理的能力を発揮できる。

情動の脳は理性の脳の思考を助けたり邪魔したりしながら私たちの下す判断を方向付けている。私たちの中には二種類の知性、「考える知性」と「感じる知性」がある。感じる知性がなければ考える知性は十分に機能できない。大脳辺縁系大脳新皮質(あるいは扁桃核前頭前野)は、互いに補いあって精神生活を支えている。この協調関係がうまくいくとEQもIQも向上する。

旧来のパラダイムは、感情の影響力から解放された理性を理想とみなしてきたが、新しいパラダイムは情と知の調和が大切だとしている。

・EQに関する基本的な定義は次の5つ。

①自分自身の情動を知る・・・情動の自己認識

②感情を制御する・・・感情を適切な状態に制御しておく能力

③自分を動機づける・・・目標達成に向かって自分の気持ちを奮い立たせる能力

④他人の感情を認識する・・・共感能力

⑤人間関係をうまく処理する・・・他人の感情をうまく受け止める能力 

・喫煙の死亡リスク係数は1.6だが、社会的孤独の死亡リスクはそれを上回る2.0である。これは一人暮らしといことではなく、社会から切り離されて誰も頼るものがいないという主観的感覚である。

・体で感じた事実や感情を言葉にしてみることで、記憶に対する大脳新皮質のコントロールが強まる。

・人間は情動の噴出が「いつ」起こるかはコントロールできないが、情動の噴出が「どれくらいの時間」継続するかをコントロールすることはできる。

 

2は、スリランカの僧であるアルボムッレ・スマナサーラさんの語りを記述したものですが、仏教の本ではありません。私たちが生きるということは常に選択する、ということですが、その選択を後悔しないためのコツを教えてくれる本です。ここで語られていることは大きく次の3つにまとめられると感じました。

・人は選択しなかった選択肢のメリットを考えるから後悔する。選択したら選択したことが全て。選択しなかった選択肢のことは考えてはならない。

・感情で判断するから後悔する。感情で判断してはならない、理性で判断する。

・人は「自分が、自分が」という自我が前に出ることで苦しむ。私たちは社会というジグゾーパズルの一つのピースである。小さなピースではあるが、その一つがなければパズルは完成しない。

 

 

今週の読書 2019.1.27 「ティール組織」ほか

二週間ぶりのブログアップです。この2週間に読んだ本は次の4冊。

1 「ティール組織」 フレデリック・ラルー(A)

2 「お金で損しないシンプルな真実」 山崎 元(K)

3 「朝礼・スピーチ・雑談そのまま使える話のネタ100」 西沢泰生(K)

4 「働かないアリに意義がある」 長谷川 英祐

1 なんといっても「ティール組織」は単行本であれば600ページ近い大著、私はaudiobookで聞きましたが、何度も聞き返しながら読了する(聞き終わる)まで2週間かかりました。

ティール組織」は初めて聞く言葉でもあり、なかなか理解するのも難しく感じました。この本では、従来の階層型組織とは、組織体制も文化も全く違う、新しい組織のあり方が示されています。

まず最初に組織の発達段階として、次の5段階があるとしており、それぞれを色で表しています。

①レッド(衝動型)組織 ⇒ ②アンバー(順応型)組織 ⇒ ③オレンジ(達成型)組織 ⇒ ④グリーン(多元型)組織 ⇒ ⑤ティール(進化型)組織

ちなみにティールとは、ブルーとグリーンの中間、真鴨の頭の色、「青緑色」のことのようです。このティール組織にみられる特徴(この本ではブレークスルーと表現)は大きく3つあります。

(1)セルフマネジメント(自主経営)

  この組織では上司がいません。従来のピラミッド型組織のように、意思決定が一部の上層部によってなされることはありません。すべての権限がチームにあり、チームに所属する社員が自分で判断し自分で決める仕組みです。

(2)存在目的

  組織には存在する目的があり、すべての意思決定は、その存在目的にしたがってなされる、さらにその目的は常に進化していく、という考え方です。組織も生命体と同じであり、常に進化するものであると捉えるのです。

 個人の存在目的と組織の存在目的が共鳴するとき、人は仕事を天職と感じ、信じられないような力を発揮します。反対に自分の価値観と組織の価値観がコンフリクトすれば、仕事は単にお金儲けのための苦行になってしまいます。

 組織の価値観を明確にし、価値観に反することは行わない、そのうえで、その価値観に共鳴する人だけが集う、これが大切になります。

(3)ホールネス(全体性)

  私たちは通常、仕事に向かうため家を出ると同時に、プライベートの自分を切離し、仮面あるいは鎧を身に着けています。会社の中では仕事人としての自分だけを表現し、すべての自分をさらけ出すことはありません。

 ティール組織では、社員同士が本来の姿をお互いにさらけ出し、それを認め合います。そうすることで意味のない争いや猜疑心がなくなり、各自が自分の使命を追求することができます。

 ティール組織は、ひとつの決まった形ややり方があるわけではなく、前述した3つのブレークスルーを実現するためには様々なアプローチがあります。この本で紹介されている代表的な組織をいくつか例示します。

・ビュートゾル

 オランダの在宅ケアを行う看護師の集団です。わずか4名で始めた組織が、今では1万人規模まで広がっています。

パタゴニア

 アメリカのアパレルメーカです。環境の改善に取組むことを組織の存在目的とし、従来の常識を常にブレークスルーしながら営利企業としても発展しています。

モーニングスター

 アメリカのトマト加工を行っている企業です。この分野では圧倒的なシェアを誇っています。

・オズビジョン

 日本のインターネット企業です。

このティール組織、何となく概念は分かるものの、すっと腹落ちしてきません。やはりまだまだ今主流の価値観である「達成型組織」に囚われているのでしょう。引き続き、ティール組織の一形態であるホラクラシーなど、組織開発全般について勉強したいと思います。

2 山崎さんの本はすでに何冊か読み、日々の投資の参考にしています。山崎さんが主張されていることはほぼ一貫しており、この本でのポイントを一言で言うと「お金についてはシンプルが一番」ということになります。さらに付け加えるなら

・(ゼロサムではなく)全体価値が増える可能性の高いほうが良い

・リスクは低いほうが良い

・自分が持つリスクは自分で決めるほうが良い

・自分でコントロールできるほうが良い

というようなことでしょうか。

3 雑談のコツを見事にあらわしている、銀座や北新地の女性がお客さんを喜ばせるために使っている「さしすせそ」を紹介します。

 さ → さすがですね

 し → 知らなかったです

 す → 素敵です

 せ → センスいいですね

 そ → そうなんですね

 これは特に男性が喜ぶようです。デール・カーネギーも言っていますが、誰でも「自分は特別な存在」であると思いたい動物なんですね。どんな時でも簡単に使える万能会話術として覚えておきます。

4 「7割のアリは働いていない、しかし働かないアリにも意味がある」 短期的には効率が悪くても長い目で見れば生き残るために必要ということ、生き物の進化から学ぶことは多いですね。

 この本で、特に印象に残っているのは、ミツバチの雄を「ドローン」と呼ぶ理由。このドローンというのは「役立たず、厄介者」を示す単語だということ。そして雄は繁殖期だけ生まれ出て交尾をすればすぐに死んでしまう、1か月の命だそうです。ミツバチの巣にいるのは雌だけ、仮に生き残った雄がいても巣から追い出されてしまいます。同じ男として悲哀を感じました。なお、雄のミツバチをドローンと名付けたのは人間です。蜂蜜を採る人間にとって働かない雄は、まさに「役立たず」であり「厄介者」だったのでしょう。

  ついでに、最近話題の空飛ぶ「ドローン」はこのミツバチの雄が語源となっています。

今週の読書 2019.1.13 「AI vs 教科書が読めない子供たち」ほか

今週の読書は次の3冊

1 「AI vs 教科書が読めない子供たち」 新井紀子(A)

2 「大人の語彙力が使える順で身につく本」 吉田裕子(A)

3 「爆発的進化論」 更科功

 まずは、1の感想から

数学者、そして「東ロボくん」プロジェクトの主宰者である新井先生が、AIの本質について論理的に解説している本です。AIについては、とかくセンセーショナルに言われることが多いですが、この本ではAIの仕組みから、その可能性と限界を冷静に語っています。特に印象に残った言葉をいくつかご紹介します。

・真の意味でのAIとは、「人間の一般的な知能と同等レベルの知能」という意味であり、シンギュラリティとは、「真の意味でのAIが自分自身より能力の高いAIを作り出すようになる地点」という意味である。その意味でのシンギュラリティはやって来ない。

・AIがコンピュータ上で実現されるソフトウェアである限り、人間の知的活動のすべてが数式で表現できなければ、AIが人間にとって代わることはありません。

・コンピュータのアルゴリズムや速さの改善の問題ではなく、大元である数学の限界なのです。

 ・数学の言葉は、”論理”、”確率”、”統計”の三つしかない。論理でAIが作れないことは見えてきた。

・確率、統計に基づいてAIを作ろうという一つの技術がディープラーニング。しかし、確率、統計の仕組みには限界がある。

・AIに代替できないのは、文章の意味を理解する「読解力」。

・多くの子供たちが、教科書を読んで理解する読解力を持たないことが問題である。

2の本は、日ごろ何気なく使っている言葉が本来持っている意味など、意外と知らないことも多く感心しながら聞き終えました。audiobookで聞くと漢字がよくわからず、結局紙の本も買いました。この本は通して読むというより、何か文章を書く時の参考にできればいいと思います。

3の本は、先日読んで面白かった「絶滅の人類史」を書かれた更科先生の本です。これも期待を裏切らない面白い本でした。「口」、「骨」、「眼」などの生物の器官に焦点を当て、それがどのように進化してきたか、独特の語り口で面白く学ぶことができます。特に面白く読んだところをいくつかピックアップしてみます。

・ウイルスはただの掘っ立て小屋、という章では、生物の特徴として「代謝(エネルギーや物質の流れ)」、「複製」、「細胞膜」の三つを上げ、ウイルスはDNAつまり設計図しかもっていない(掘っ立て小屋に住んでいる)ため生物ではない、と説明している。

・「眼」の項では、結論として「眼で見る」ことが一番いい、とのこと。光を使えば小さなものまで見ることができる、のがその理由。音波を使って耳で見たり、弱い電気を使って見たりする動物もいるが、波長の短い光を使うのが最も優れている、と結論付けている。

・「脚」の項では、次のことが強調されている。四肢動物に共通の特徴として、「上腕に一本、前腕に二本、手首にいくつかの小さな骨、そして指の骨」という配置がある。つまり、両生類、爬虫類、鳥類、そして私たち哺乳類に共通である。このことから、私たち四肢動物は魚類から進化した。私たちはハイギョから進化したのである。

・最後の章「命」では、セントラルドグマについて書かれている。これは、「DNA➡️RNA➡️タンパク質」という遺伝子の流れはすべての生物に共通している特徴であるということ。

・進化においては、今の私たちが最終の形ではないという。私たちは、まだ進化の最中に位置している。

 

 

 

 

今週の読書 2019.1.6 「志高く孫正義正伝」ほか

お正月を挟み2週間ぶりのアップです。この2週間に読んだ本は次のとおり。

1 「志高く 孫正義正伝」 井上篤夫(A)

2 「難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください」 スティーブン・ソレイシィ  大橋弘

 たくさんの本を並行しながら読んで(聞いて)いますが、読み終えたのはなんと2冊だけでした。まあ、お正月の間、ずいぶんとさぼりましたので。。。

まず1は、孫さんの自伝、と言っても本人が書いているわけではありません。しかし、今まで知らなかった生い立ちや凄まじい執念というか圧倒的な努力が垣間見えて一気に読んで(聞いて)しまいました。孫さんの天才ぶりと、どんな窮地に陥っても絶対にあきらめない強い思いに感動してしまいました。特に心に残ったのは次のような言葉です。

・この会社をそのうち、売り上げを豆腐のように一丁、2丁(兆)と数える会社にする。

・イギリスは、海を渡る航海というインフラを、アメリカは電気、通信、モータリゼーションというインフラを作った。私はインターネットと情報で世界最高のインフラを作る。これが日本のチャンスでもある。

・人生で最も重要なことは、「志と理念」「ビジョン」「戦略」の3つ。

さらに印象に残ったエピソードはこれ。

孫さんが日本に帰化しようとしたとき、”孫”という名字にしようとしたが、先例がないということで却下される。そこで彼は一計を案じ、米国で結婚したため別姓であった妻の苗字「大野」を、まず”孫”に変更。その後再び法務省に行き「本当に”孫”という名字はありませんか?確認してください」と粘ったのです。「一人ありました。あなたの奥さんです。」ということで、彼は韓国姓である”孫”の苗字で日本人となりました。あきらめない粘り強さと賢さに脱帽です。

2の本は、まずaudio bookで聞き、その後、紙の本を読みました。この齢で今さら英語でもないかな~とは思いながら、この1年本気で取り組んでみたいと考え手始めに読んだ本です。目からウロコの内容が多く、この本で紹介されている色々なことに挑戦していくつもりです。「釣り竿表現」とか、とにかく連続して言葉を口に出すことが大事、TOEICは無駄、オンライン会話とスピーキングテストが効果的、ヒアリング力を高めるには海外ドラマがいい、など「なるほどなあ~」と思わずうなずいてしまいました。

今週の読書 2018.12.24 その2 「イノベーションのジレンマ」

今週読んだ本は次のとおり

(1)「絶滅の人類史」 更科 功

(2)「イノベーションのジレンマ」クレイトン・クリステンセン

 

今日は、(2)の感想を追記したいと思います。

イノベーションのジレンマ」、さすがに長い年月を経ても読み継がれているだけあって内容の濃い本でした。この本に書いてある結論としては、次の企業がジレンマに陥る5つの原則に端的にあらわされています。

1 企業は顧客と投資家に資源を依存している

 つまり企業は顕在化している株主や顧客のニーズを満たすことに多くの資源を投じる、という宿命を持っているということ

2 小規模な市場では、大企業の成長ニーズを解決できない

 大企業の成長戦略として取組むには市場規模が小さすぎるということ

3 存在しない市場は分析できない

 企業は説明責任があるため、市場分析を行い見込みがあることを説明しなければなりません。しかし破壊的イノベーションにはそもそも市場が存在しないのです。

4 組織の能力は無能力の決定的要因になる

 いわゆる成功体験、今までに成功している価値基準や業務プロセスは持続的イノベーションに最適化されています。個人の能力は柔軟ですが、組織の能力には柔軟性がありません。

5 技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない

 持続的イノベーションに注力しているうちに、いつか技術・性能が顧客が求めている水準を超えてしまう。そのため技術的には低水準で低価格の分野に空白が生じる、ということ。

この5原則にすべてが凝縮されているとは思うものの、そのほか心に残っている言葉を上げてみます。

・どの会社、どの組織にも資源・プロセス・価値基準の要因があり、持続的技術と破壊的技術とのかかわりを考えるうえでこの枠組みは重要となる。組織において経営者、マネージャが日常的に下す判断の一つ一つがその組織のプロセスを形作り、価値基準を植え付け、その組織特有の文化となっていく。

・組織の能力は、労働力・原材料・エネルギー・資金・情報・技術などの入力を「価値の向上」という出力に変えるプロセスと、組織の経営者や従業員が優先事項を決める時の価値基準によって決まる。人材の能力と違って組織の能力、つまりプロセスや価値基準に柔軟性はない。

・個人に仕事をうまくやる能力があれば、そのような人が所属する組織にも成功する能力があると考えがちである。しかし必ずしもそうとは言えないのだ。組織で働く人材やその他の資源に関係なく、組織自体の能力というものがあるからだ。

・確実に成功するためには、目的に合った人材の選定、訓練、動機付けだけでなく、目的に合った組織の選択、構築、準備に優れた手腕を発揮する必要がある。

 ・競争の基盤の一般的な変化パターン 「機能」⇒「信頼性」⇒「利便性」⇒「価格」

・優良な企業、優れた経営者には次の特性がある。この優れた経営者による合理的な判断が破壊的技術に対して失敗をもたらすことになる。

①顧客の声に耳を傾ける ②求められる技術の提供に積極的に投資する ③利益率の向上を目指す ④小さな市場より大きな市場を目標とする

・優れた企業は「実行のための計画」を立て、多くの場合には成功する。しかし稀に訪れる破壊的イノベーションに対応するためには「試みて発見する」という「発見のための計画」が必要となる。

・組織にできることは、資源、プロセス、価値基準の3要因によって決まる。