2018.12.16「リーダーを目指す人の心得」「新・独学術」「今までで一番やさしい経済の教科書」
今週読み終えた本は次のとおり
1 「リーダーを目指す人の心得」(A) コリン・パウエル
2 「新・独学術」 侍留啓介(しとみけいすけ)
3 「今までで一番やさしい経済の教科書」(A) 木暮太一
1はレーガン、クリントン、ブッシュと3代の大統領に仕え、2001年から2005年までは国務長官を務めたコリン・パウエルがリーダーについて書いた本です。
心に残る言葉が多くあった本で、その一部を以下に示します。
・現場が正しくスタッフが間違っている。私の経験では大体7割は現場が正しい。
・リーダーは問題を解決しなければならない。管理ではダメ。隠してもダメ、小さく見せかけてもダメ、迂回してもダメ、やわらげてもダメ、他人のせいにしてもダメである。問題を解決できないリーダーはリーダーとは認められない。
・部下に尊敬されようとするな。まず部下を尊敬せよ。
・命令だ!と命令してはならない。
・一つのチーム、一つの戦い。
・リーダーは、功績は皆で分け合い、非難は一人で背負う。
・必要だと思う以上に親切にしなさい。あなたが思うよりもはるかに強く、親切を受ける側はその親切を必要としているのだから。親切とは、「敬意と気遣いをされるべき人間なのだ」と相手を認めること。
・ものごとを成すのは組織ではない。計画でも制度でもない。ものごとを成すのは人だけである。組織や計画や制度は、人を助けるか邪魔するかである。
・すべては人である。どれほど優れた考えでも、それが優れているだけで成功することはない。優れた考えには、その考えを信じそのために戦う闘士がいなければならない。実現を目指して努力する、実現を目指して戦う支持者や闘士を増やす、実現するまで推進する、そういう人が必要である。
・逆に理不尽な考えも、それが本質的に理不尽であるというだけで消えはしない。考えに対して反対して戦う人がいなければならない。自らを危険にさらしてでも、問題を指摘して杭を打ち込む人がいなければならない。
2は侍留(しとみ)さんが書かれた独学術の本です。これで”しとみ”と読むんですね。かっこいい名前です。佐藤優さんの推薦もあり読んでみましたが、非常にためになる本でした。大学受験の参考書で学ぶことの効率の良さは目から鱗の発見です。
・「理解しやすい政治・経済」 松本保美監修
・「理解しやすい倫理」 藤田正勝
・「人物で読み解くセンター倫理」 蔭山克秀
・「シカゴスタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術」 吉岡友治
・「ハイディの法則77」 ハイディ矢野
・「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」 村田薫ほか
以上は本書で紹介されていたもの。さっそく読んでみたいと思い何冊かポチってしまいました。本書で特に心に残っている部分を抜粋します。
・「経済思想」「心理学」「宗教」の3つは、ビジネスパーソンに必須の知識
・人間の思考の基盤は、「類比」と「対比」と「因果」によって成り立っている
・分析とは、物事の差分=違いを明らかにすること
・大切なことは、自分の主張が正しいかどうかではない。重要なのは自分の主張を支える理由が明確かどうかである。
・「具体的な話を抽象的な言葉」に、「抽象的な話を具体的な言葉」に置き換える能力を身に着けることがビジネスパーソンには必要
・ビジネスには「知識量」と「論理力」の両輪が必要
・悪文チェック3つの鉄則
①凝った表現を用いない
②「程度を表す形容詞」を使わない゙…「とても」「非常に」など
③あいまいな接続詞や助詞を使わない…特に口頭説明では使わない
・自分を賢く見せる方法
①まずは聞いた相手の話を整理したうえで、こちらの考えも整理して語る
②「そもそも」を使って前提を疑い、視点を変え、全く新しい発想を持ち込む
③様々な議論を「一言でまとめる」、つまり本質を明らかにし抽象化する
・リーダーとは、たとえ間違ったとしても、ベストを尽くしたうえで何らかの決断をできる人
・難しくても、分からなくても、限られた情報や経験の中から知恵を絞って意見を出す
3は木暮太一さんの「落ちこぼれでも分かるシリーズ」をさらにやさしくした本。木暮さんは、「経済」が難しく感じる理由を、『理論と理論の「行間」を埋められないから』としています。本書は、そんな「経済の行間」を埋め経済について分かりやすく解説しています。この本で「なるほど」と思ったことをいくつか。
・政府が行うのが「財政政策」、日銀が行うのが「金融政策」。その金融政策には3つある。①公定歩合操作 ②公開市場操作 ③公定準備率操作、いずれも「マネーサプライ」の操作によって景気をコントロールする
・経済学には ①マクロ経済学 ②ミクロ経済学 ③マルクス経済学 がある
・ミクロ経済学で最も重要で基礎となる考え方が「限界」。「限界」とは、今この時点を基準にした考え方、今までとこれからの境目を「限界」と言う
・「限界効用」とは、その時々で得られる満足感のこと。1杯目のビールと5杯目のビールでは得られる満足感が異なる。量が増えるにつれ満足感(効用)が減ることを、「限界効用逓減の法則」という
・サラリーマンの給料には2種類ある。明日も働くための「必要経費方式」と、稼いだ儲けを皆で分ける「利益分け前方式」。前者は日本の伝統的企業、後者は外資系企業に多い
・発想を変える。「自分の人件費を抑えられる」大好きな仕事をする。つまり「給料が安くてもやりたい」と思える仕事をする