2019.2.16「MaaSモビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」「MBA生産性をあげる100の基本」

今週は次の2冊を読みました。

1 「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」日高洋祐ほか3名

2 「MBA 生産性をあげる100の基本」 グロービス、嶋田毅(A)

1 MaaSとは mobility as a Service の略で、ICT技術を活用し、個々人の移動を最適化するため様々な移動手段を統合することで利便性を飛躍的に高めるサービスを言います。日本は世界から10年は遅れていると筆者は言っています。本の中から大事だと感じたポイントを列記します。

・MaaSはフィンランド発の概念であり、通信自由化のあと多様なサービス、料金パッケージが生まれた通信業界からヒントを得て生み出された。

・MaaSには次のレベルが定義されている。

レベル1:情報の統合(日本の現状)

レベル2:予約・支払いの統合

レベル3:提供するサービスの統合

レベル4:社会全体目標の統合

・MaaSプラットフォームはあらゆる産業に繋がり、より上位のレイヤーに位置づけられる可能性がある。そうなると鉄道会社や自動車メーカーは、この新しく生まれたMaaSの統合プラットフォームの下位にぶら下がるビジネスになりかねない。

・あらゆる交通サービスが融合しMssAコントローラによりユーザーの位置情報や予定が共有され、それらを統括する高度な予測とパーソナイズされた制御を行う。これを2020年東京オリンピックまでに実現することを目標とすべき。

・日本版MaaSが目指すべき方向性には二つある。

都市部:①渋滞の緩和 ②高度な都市オペレーション

地方:①地域交通の再構築 ②持続可能な交通体型

これら同じ課題を抱える世界中に、都市機能として輸出する。

2は「MBA 100の基本」の続編。Audiobookで聞いたので聞き流した部分もありますが、気になったところは何度か聞き直しメモを取りました。本書では「土台スキル」「実行スキル」「成長スキル」の3部構成となっており、生産性を上げるスキルが簡潔に100項目にまとめられています。記憶に残ったものをいくつか記載します。

・会議に貢献する。会議は自分の存在を誇示したり、自説を披露する場ではない。多数決で結論を出すためのものでもない。会議はより良い意思決定をする場、私たちは色々な形で会議に貢献できる。

・意思決定には様々な思考の歪み、バイアスがかかってしまう。代表的なものとして「ハロー効果」「サンクコスト」「現状維持バイアス」「確証バイアス」「初頭効果または週末効果」

・人に伝えるための条件3つ。

①論理→人は理由を知りたい動物

②情理→人は論理だけでは動かない。感情で動く。

③倫理→最近特に重要視される。人は自分の価値観に合わないことでは動かない。

・顧客が要求するQCDを実現できるか、が大事。

Q:品質(Quality) C:コスト(Cost) D:納期(Delivery)

・PM理論、社会心理学の三隅二不二が提唱した。リーダシップを、「目標を達成する能力(P)」と、「メンバー間の人間関係を良好に保ち集団や組織を維持・強化する能力(M)」の二つの能力要素に分け、その大小の組合せで4つのタイプに分類したもの。PとMが共に高いPM型のリーダシップが望ましい。

・GEではリーダーには次の”4E”が大切だと言われている。

①Energy:常に高いエネルギーを持っている

②Energize:エナジャイズ、相手のエネルギーを高める

③Edge:タフな決断や判断ができる

④Execute:プランを行動に移す実行力がある

・successの法則とは、プレゼンで成功するための6つの要素。「Simple(シンプル)」「Unexpected(意外性)」「Concrete(具体性)」「Credible(信頼性)」「Emotional(感情に訴える)」「Story(物語性)」

・スキルは陳腐化する。陳腐化しない・しにくいスキルを身につけることが大事。

マネジメントを学ぶスキルとして経営学者ロバート・L・カッツが提唱した「カッツモデル」がある。マネジメントのレベルに応じて重要なスキルを上から「コンセプチュアル・スキル(物事を概念化する能力)」「ヒューマン・スキル(対人関係スキル)」「テクニカル・スキル(業務遂行スキル」の3つ。上位のスキル(コンセプチュアル・スキルやヒューマン・スキル)は陳腐化しにくいスキルと言える。